140字超え備忘録

まさにDream "Pain" ter

「スペクタクル」な、考察みたいな。

最近、文章を書くことにハマっています。

やりたいことはいくらでもあるけど、やれることはいくらもないから、先日言ったことを有言実行しようかなあ、っと。

そんなお暇がありますの?ないんですけれどね、

むずむずすることって珍しいので、思う存分、かいてやろうではないか。

 

 

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我が家の4th single「スペクタクル」。CD派です。まりえちゃん可愛い。

 

 

今日は、植田真梨恵の「スペクタクル」を感じるままに、ちょっと調べものしながら。

 

 

まりえちゃんの歌って、メッセージはガンガン熱くて伝わってくるんだけど、言葉の意味はぶっちゃけよくわかんない。

もともと「どういうことだろう」って、新曲リリースのたびに毎度考えるんですが、やっぱり、よくわかんない。

そしたら、先日の記事を書いてるときに「スペクタクル」はピコーン💡ときた。ストレートに書きました、って本人が言ってるからね、きっと分かりやすいうちのひとつなのだろうね。

ばりばり参考になっちゃいそうな、ナタリーさんのインタビューもあることですし、ばりばりに使っちゃいながら、無茶せず自分なりの解釈を試みる。

自分なり、重要です。「歌は世に出た時点でそれぞれの人のものになる」…ですからね。

 

 

 

まず、まりえちゃんは、どういうメッセージを込めて「スペクタクル」を書いたのか。

ナタリーさんの紹介では、

2016年第1弾シングルとなる今作は、「向かい風でも歩き続けよう」という力強いメッセージが込められた軽快なロックナンバー。

―― 植田真梨恵「スペクタクル」インタビュー - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

とのこと。

 

 

歌詞にもドストレートに表れています。

冒頭の「つまりは それでも 信じる それだけのことで」や、サビ「ここから抜け出そう 新しくなるよ」とか

インディーズの曲からすると、言いたいことを、そのまんまの言葉で書いているなあという印象。装飾もシンプル。インタビューからも、努めてそうしたことが分かります。

 

総じて、「うまくいかなくっても、とにかく信じて、やってみよう。ちょっと振り返ってみたり。そのうち抜け出して、新しい壮大な先が見えてくる」って感じかな。

 

 

そんなわけで、とりあえず、そこのお方、

曲をお聞きなさいな。PVを見てくださいな。

 

youtu.be

 

インタビューでも前半で多く語っているけれど、この曲はそのまま、まりえちゃんの曲作り、日常を切り取った歌なんだなと。これで分かりやすくなったぞ。

それをもっとスペクタクルに…壮大に…広々した世界に落とし込んだんですね。PVの砂漠や、歌詞の「雷鳴が響くよ」「海が割れるよ」…

これまでのPVとは打って変わって、海、砂漠…とっても絵がシンプルで、かつ大きい。

見返していて、「珍しいな?」と思ったら、やっぱり珍しい。ほかのPVでは、小さな世界や夢の世界、そして必ずと言っていいほど「身近なモノ」生活の中にあるもの、場所も雑踏の中であるとか、日常を感じるものが登場しています。

いつか、曲作りのテーマとして「寄り添える」ような歌を、と語っていたと思うんだけれど、そういったこともあって、ここまで遠い物語を描くことってあんまりなかったように思う。

ちょっと似たアップチューンな、ひとつ前シングル「わかんないのはいやだ」でも、明るく、自然の中で広々とした世界にいても、ベッドや洗濯物、日常が見える。

こう見ると、「スペクタクル」って、結構、彼女の作品のなかで異質なのかもしれない。

 

4分12秒の歌を生み出す、それが世間から見たらひとりの内なる小さなことだとしても、

まりえちゃん…自身からしたら、とっても大きな世界での壮大な旅だったのかも。どっちへ行くまいか、その指標も見えない地平線。彼女にとって、うたをつくることってきっと彼女の世界のほとんどだから。

インタビューで「もうできないと思ったんです、ポジティブな歌が。」と言うくらい、日々の悩みや変化で揉まれて気分が沈んでしまっていたそうな…。そりゃあ、一大事です。

その人自身にとっては、その状況って悩みって、とっても大きなもんなのよってことかしら。とってもよくわかる。

 

 

そして、やっぱり印象的なサビについて。

「雷鳴が響くよ 海が割れるよ 道ができるね」

海が割れるって言ったら、やっぱモーゼの「葦の海の奇跡」?

ユダヤの民が約束の地カナンを目指してゆく途中、彼らを率いていたモーゼが海を割って彼らを通し、追ってきたエジプト軍は溺れてしまった、という旧約聖書の昔話。

神のお告げにて約束された場所へ向かおうとしていたわけで、まあ、その点においても希望への旅路なわけですが、

前には海、後ろには軍…「絶望」…、そんななかでモーゼの起こした奇跡は、まさに救いだったはず。

暗雲のなか、雷鳴のような出来事があったのだろうか、海が割れて約束の地への、希望の道が開ける。

まあ、まだそれでも、「やまない雨模様 風はやっぱ向かい風」らしいんですけれど。大変な旅だ。

 

「海が割れる」なんて大袈裟すぎて、なにか意味があるんじゃないか…と推測したけど、あんまり関係なかったかもしれない。わたしの厨二病がバレただけだった…

このあたりについて、インタビューでは、

ただ、前向きにと言ってはいるものの、実際にこの「スペクタクル」で描きたいのは、なるべく五分五分の状態なんです。歌詞の「雷鳴が響く」「海が割れる」「道ができる」とか、いいこととも悪いこととも言い切れないですよね? 私はそういうふうに人生を捉えているので。

モーゼが奇跡を起こしたことで、ユダヤの民は希望へ進めるんですが、エジプト軍は海に飲まれてしまうんですよね。神様怖いなあ。だから「いいこと」ではないな、と思ったりした。

 

 

ここで述べられている『五分五分の状態』を描く…、きっと「変わる」こともそのひとつ。

先日もお話した通り、「変わる」っていいことだけじゃない。痛みもともなう。

それは、PVにも表れていて、時折、遠くを見る…過去を見ては、おもちゃを壊し…進むごとにおもちゃを壊し…失う……

新しいものを求めていくために、捨てなければならないものや大切にしていられなくなっちゃったものが、まりえちゃんにもあったのかもしれない。それはこれまでのスタイルでしょうか…そういえば、メジャーデビューして、テイストはずいぶん変わってきたと思う。

 

それに、時の流れの変化は、ほかにも歌詞のなかに。1番から2番で、おとなになっていく。

「”何も持っていなくたって しあわせだった” ゆりかごの外で」

子どものときって、まあいろんなひとがいるけれど、家族が愛してくれて与えてくれて、持たざる者として不安になることはあまりないんですよね。

わざわざ意識しはじめるのは、ゆりかごから出て、周りを見ていると、その差を感じるようになる。

あと、たくさん持つようになって、それが大切になって、いずれなにか…お金なのか具体的なモノなのか家族友人…、持たないことは、不しあわせになる。

変わることで、得ると同時に失うんですよね。

 

「知らない遊びをしようよ あなたとわたしで」

2番はじめ、おそらくは、ここでおとなになる。あなたとわたしふたりでする、知らない遊び。象徴的に考えて、ちょっと無茶かもしれないけど、対比、時の流れからきっとそういうことだろうと。

PVでは、砂漠に木が生えてる。なんもないとこからはじまり、背の低い植物がはえて、成長してる、と捉えるべきか。すると、まあ地平線よりは、遠くは見渡せなくなったけど、自分の居所を判断するための指標ができてくる。そんなところでしょうか。

うーん深読みしすぎな気がしてきた。

おとなになって、自分が徐々に定まってきて、そしたら、

「懐かしい所へ出掛けよう このまま裸足で」。ありのままで、過去を振り返ってみる。

「変わらないとこがあって 嬉しくなるのは 変わりつづけるから」ってはじめて気付くんですよね。

変わることがどういうことか。変わったことにも、振り返ってみてやっと分かる。

ふるさと帰って、新しい家いっぱいが建ってて~、でもむかし遊んだ公園とかよく行った駄菓子屋とか見たらやっぱり、変わってないなあ!って嬉しくなっちゃうもんね。と同時に、(あれ?もっと大きかった気がするんだけれど)。わたしが大きくなっていました。

おとなになって、やっと振り返ってみるような余裕もできるし。子どものときって、やっぱ今が一番だいじに思っちゃう。遠く…夢とか…を見て、無謀に歩きまわってさ。

まりえちゃん、「歌を歌いたい」って高校から大阪なんだよ。スゴイよね。わたしにはできないし、ちょっと無謀。高校から都会でひとり暮らしなんて、怖くて、わたしが親ならさせられないなあなんて思います。

 

2番サビで、PVではじめて海が見えます。世界が広がっていく。

砂と空だけだったのに、もうひとつの壮大な世界が見えて!海の向こうには新大陸が待っているかも、なんてね。

 「空は紫色 不思議なお天気で」PVからして、夜明け前かな~…日の出直前って綺麗なむらさきですよね。不思議なお天気、は気分のことかな~

「何かが呼んでるよ」目指す目標が見えたのかな~

ちょっと曖昧、むずかしかった。

歩いてきたら「風はいつしか追い風」になって、

1番で飽きちゃって、「ぜんぜん終わりがない」って思ったら、「だんだん慣れてきたね」って。毎日、向かい風に立ち向かってたら、自分も強くなりますわな。

そういえば、自分も人前で話すことにはずいぶん慣れてきました。思えば向かい風ばっかだった。たまに嵐に崖に…だったな。

 変わることを受け入れられる「ずっとそばにいよう」って言えるくらいになってきて、

「両目瞑ってみよう」自分と向き合うってことかな~ ここは自信がない。でも、目標が見つかったなら、周りに惑わされず、自分のなかで磨いて、洗練させていく時期なのかも。

 

「信じられない! スペクタクルな展開で」

うまくいったかと思いきや

「それでも 信じたい」って言ってるから、驚くような意外な方向が見えちゃったのかも。

とにかく変化を受け入れて進んでいくしかないとふと思ったときに、やっと前向きなテンションになって曲が書けましたね。

 

「信じたい」のときに、分かりやすく時計が出てきます。時を刻めば、歩みを進めれば、道は開けるって信じるんだっていう強い意志、確信なのかもしれない。その分、失うものもさらにでてきちゃうけれど。

 

最後のサビで、「風はやっぱ向かい風」に戻っちゃうんですよね。なんて厄介。

「雷鳴が響くよ」でも海割れてくんないし、それでも「まだまだ歩くよ」進んでいけるんですね。強く信じることができたから。

奇跡なんて起きなくても、

「ここから抜け出そう 新しくなるよ

目にもとまらぬ スペクタクルな スペクタクルな展開で」

強い風にも前を向いてゆける、

PVでは、夜明けがやってきて。歌は終わり。

 

 

 

「スペクタクル」は、たしかにこの歌を生むときの苦悩が基本軸「悩んで悩んでいずれふと答えが見つかるから信じて進め」ってところだけれど、全体として、彼女の夢の旅の途中なんだなと気付きました。というか、この時点で改めてこのことに気が付いて、信念のようになったのかもしれませんね。また、夢の旅を通して、感情をあるがまま詞と歌にぶつけて、言葉を飾っていたこどもの彼女の歌が、徐々に洗練された美しいおとなになっていく。

インタビューのおわりに、歌を歌い始めて10年になるという2016年の目標を聞かれて、

高校生の頃は自分の思いをとにかくぶつけるっていう感じで曲を作ってたんです。そこからCDを何枚も作らせていただいて、いろいろ学んで、曲を仕上げる楽しみ方も覚えたので、2016年はその両方を併せ持つ、すっごい曲を書きたいと思います(笑)

と答えていた。やっぱり、メジャーデビューして歩んできたなかで、磨かれてきて、振り返る機会だったのかもしれない。それこそ、自分を呼ぶ何かが見つかったのかも。

4th single「スペクタクル」以降、「心と体」とか「SOS」のような、ガンッガン激しくギターをかき鳴らして、強く強く叫ぶような歌はあまり見なくなった。まあ、心と体はそれこそ暗闇の中での曲だからなおのこと激しいんですけれど。

特にいちばん最近の「勿忘にくちづけ」は清流のような歌ですよ。朝の心地よい、すこしんやりとした穢れの無い空気のような歌です。花びらの上の朝露です。好き。

「曲の雰囲気変わった」って言うひとも多いし、わたしもそのように感じるし、インディーズ時代のような曲を大切に持ってはいながらも、それは過去として、

これからも新たな道へとゆくのだな、美しい歌を生むのだなと、

考えて、しんみりいたしました。

 

 

タイトルの「スペクタクル」、

一般に光景,情景を意味する英語であるが,狭義には視覚的に強い印象を与えるもの,~語源はラテン語のスペクタクルムspectaculumで,見物席,劇,光景などの意味をもつ。具体的には地震,洪水,火山の噴火などといった天変地異,火災,戦争,あるいは巨大な山や滝のような自然の風景などが考えられ,動きや変化を伴う場面が多用される。

            出典:株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版

 「強い印象を与えるもの」壮大な世界を描くのにぴったりな語、

あのPVを描くにもぴったりな語、なんでしょうね。案外モーゼ説合ってるのかも。

 

小さな小さな、ひとには気付かれないような、わたしにとっては大きなことだから!

毎日の変化のなかで、すぐ過ぎ去ってゆくから!

 

「目にもとまらぬ スペクタクルな展開で」!

 

 

 

 

 

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今日仕上げる予定のレポートの2.5倍書いていました。楽しいなあ

改めて、言葉にして、ぐるぐる頭のなかから出してあげると、

見えてくるものは多い。

読みやすいようにって思ったのに 熱があふれちゃってダメだった。堪忍なあ

植田真梨恵に興味を持ってくれる人が増えることを願って。